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zoom RSS キタノブルー〜「あの夏、いちばん静かな海」。 邦画史上最高のラブストーリー

<<   作成日時 : 2006/08/20 10:20   >>

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聴覚障害者の茂は、ゴミ収集の仕事の途中、壊れたサーフボードを拾う。

そして修理し、海へと向かう。
恋人の貴子はいつも浜辺から練習する茂を見ている。

サーフィンを通し、その上達と同時に人間関係、社会性を深めていく茂。
あるサーフィン大会に入賞した後、嵐の日に茂はいつものように一人で海に向かう。
後からきた貴子が目にしたものは、波に漂う彼のサーフボードであった・・・




「あの夏、いちばん静かな海」。



北野武監督作品で一番好きな映画である。

淡いラブストーリー、秀逸である。



この映画の一番の魅力はセリフの少なさ。私は説明セリフが嫌いである。
TVの橋田ドラマは見ない。橋田本人がいうように全て動作から何からセリフで説明してしまうからである。橋田いわく、「私は視聴者を信用していない、何故ならTVは何かしながら見る人がほとんどで、しっかり映像をみないから。」

映画はその逆である。劇場でみる時は当然だが、家で映画を鑑る時もその時間は集中して映画だけを鑑なくてはいけない。途中で停止したり、宅配便の対応したり、トイレに立つなど言語同断。

セリフで動きや、映像を説明するほど映画ファンをバカにした行為はない。説明までいかなくても、無駄なセリフのある作品が多い。

また、ナレーションも私は基本的に好きではない。これも基本は映像でみせてほしい。ただ、シャク関係などで感情などを全て映像で表現するには無理がある。スコセッシは好きな監督だが、「タクシードライバー」「救命士」など作品によってはナレーションを多用する。基本的に好きではないが、効果的なデキとなっている。

この北野作品は基本的にセリフが少ない。特にこの作品は主人公が聴覚障害者だから当たり前だが、セリフがない。武はわざとこの設定にしたのだろう・・・
映像で表現する。これが映画の基本であり、鑑るものは映像からその感情や状況を理解する、そしてこうした状況から初めて効果的な、名セリフが生まれる。
それが映画だと私は思う。



淀川長治氏はあるインタビューで、


 「あのね、日本の映画の歴史の中でね、一番言いたいくらいあの映画好きなのね。
 なんでか言うたらね、あれってとってもサイレントなのね。サイレントだけど見とったらラブシーンが一番いいのね」
 
との賞賛を残した。



また、勝新太郎に武は、

「お前、この映画撮ってて気持ち良かっただろ。でも観る側にすれば、これほどキツイものはないよ」

と言われたという。


私にはこの想いは全く理解できない。


私は、この映画、この映像、あの台詞のすくないあの画に、ストーリーに夢中になった。
これがただのつまらない映画とする者がいたとすれば、
質の低下という言葉は好きではないが・・・・・・。

いや、
まあ、

センスか・・・・・・・・・・。



それと
北野武監督作品を見る度に、

美や美しさ、
  優しさや愛とは、

   バイオレンス、暴力や狂気と対極であると同時に対であると私の持論を確信させらる。


 そう、それを痛切に感じさせる1本である。






これほど鑑賞者を夢中にさせる、スクリーンに集中させる映画はないと感じた。





キタノブルーの透明感のある映像が全てを物語る・・・。












日本映画史上、最高のラブストーリーである。



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タイトル (本文) ブログ名/日時
「あの夏、いちばん静かな海。」
1991年、北野武監督作。 ...続きを見る
雑板屋
2006/10/01 02:55
「あの夏、一番静かな海。」 
 あの夏、いちばん静かな海。 ...続きを見る
NUMB
2006/10/01 21:23
『あの夏、いちばん静かな海。』
(1991/日本) 【監督】北野武 【音楽監督】久石譲 【出演】真木蔵人/大島弘子/河原さぶ ...続きを見る
愛すべき映画たち
2006/10/02 13:37
「説明台詞」はいらない
79年前の1927年10月6日は、世界で初めてトーキー映画が公開された日らしいです。 未見ですが、残り3分の1からトーキーに変わるという『ジャズ・シンガー』ですね。 ...続きを見る
愛すべき映画たち
2006/10/09 14:26
あの夏、いちばん静かな海。
映画『あの夏、いちばん静かな海。』(1991年/北野武監督/東宝)を見た。 数年前に映画サークルで一度見ているが、久しぶりだ。 聴覚障害者の青年・茂が、捨てられていたサーフボードを拾って修理し、見様見真似で練習に打ち込み、常連のサーファー達に笑われながらもどんどんと上達していく。 恋人の貴子はいつも一緒にいるが、彼女も聴覚障害者なので二人の間に一切会話は無く、二人の関係は、はためにはとてもあっさりしている。 サイレント映画でもないのに、こんなに静かな映画を見た記憶が無いと思えるくらいに台詞が少な... ...続きを見る
仁左衛門日記
2007/06/18 21:24

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
TB&コメントありがとうございました。
同感していただいて嬉しいです。
それだけ観客のレベルが下がってきたということもあるんでしょうが、あまりの説明台詞の多さにほんとにうんざりしています。
プロフィールで最初に挙げているジョニー・トーとアキ・カウリスマキ、彼らは台詞に頼らないところがいいです。
1999年にもなってモノクロのサイレントを撮ったカウリスマキは言うまでもないですが、ジョニー・トーも『柔道龍虎房』で男女3人が肩車を2段にする名場面なんか、台詞は一言もないのに、その映像だけで全てが伝わってくるんですよね。
北野武監督作品の中では、自分も『あの夏、いちばん静かな海。』がダントツで好きです。
micchii
2006/10/09 14:32

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