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zoom RSS 犬神佐兵衛翁の怨念 〜「犬神家の一族」

<<   作成日時 : 2006/09/30 21:16   >>

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「お父様、後遺言は」

那須の大財閥、犬神家では関係者一同が揃っていた。
犬神佐兵衛はゆっくりと震えた指先を顧問弁護士に向ける。

「後遺言状なら確かにこの古館がお預かりしております。」

遺言状は犬神家の親族一同が揃った席で開封されるとの佐兵衛の意志。
珠代を見つめ息をひきとる佐兵衛。

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1976年 製作 角川春樹  配給 東宝

監督 市川崑
主演 石坂浩二

角川春樹事務所第1回作品



市川+石坂の金田一シリーズ1作目。
横溝正史をして、「原作に最も近い、ただ一つハンサムすぎることを除いて・・・」と言わしめた石坂浩二の金田一耕助。年齢も原作にちかく、ハッキリは覚えていないが内容も原作をさほどいじっていないと記憶している。横溝正史自身も那須ホテルの主人役で出演している。
原作的には16作目くらいの事件にあたる。

豪華キャスト、音楽も非常よく、犬神家の重厚感及び作品全体の独特の雰囲気、全てにおいて出来のよい作品(佐竹の生首以外は)。
見立て連続殺人作品である。金田一のするどい視点・洞察力が事件の謎、深い真相を解いてゆく。


那須におりたった金田一耕助。

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依頼人の若林から那須ホテルに泊まるよういわれた彼。

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ホテルの部屋から湖をのぞむ。
「君、あれが犬神さんのお宅かね」
旅館の女中にそう尋ね、湖の先に見える犬神家を眺める金田一。

するとボートで珠代が湖に出てきた。その珠代の様子がおかしい。金田一は急いで別のボートで救出にむかう。珠代のボートには誰かの手によって穴があけられてた・・・

ホテルに帰った金田一は客がきていると宿の主人から聞き、部屋へ駆け上がる。しかし、部屋には誰もいない。灰皿には吸いかけの煙草が。

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すると突然、女中の叫び声が。
声の方へ向かった金田一。そこには依頼人若林が倒れていた。


「ちかく犬神家の一族に容易ならぬ出来事がおこる」
若林は手紙で金田一にそう告げていた。

若林は古館法律事務所の人間であった。佐兵衛の遺言状を盗み見た若林がその内容に恐れ金田一に依頼したのである。中館は死亡した若林に代わり、あらためて金田一に犬神家の件に関し、調査を依頼した。


その夜、犬神家には長女・松子が戦争で行方不明であった佐清をつれて帰ってきた。
出迎えた腹違いの妹たち、次女・竹子・3女・梅子の前に現れたのは、黒頭巾をかぶった男であった。

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そして、翌日、親族一同が揃ったと連絡を受けた古館は金田一を連れ、犬神家に向かう。遺言状を開封する為に・・・

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遺言状は開封され読み上げられた。

驚愕の内容。珠代の命が狙われた理由が明らかになった。犬神家の全財産は珠代が存命の限り、珠代の意志ひとつでどうにでもなる内容であった。
珠代に全財産を次の条件のもとに譲る。それは佐兵衛の3人の孫、佐清・佐竹・佐智のいづれかを婿とする。3人が死せし場合は、珠代の自由とす。
珠代が3人との結婚の望まぬ場合は、珠代は相続権を失う 等。
そして佐兵衛が自社の女工であった青沼菊乃に生ませた青沼静馬の相続権利も書かれてあった。


金田一は中館に言う。珠代が危険だ。狙われるし、珠代自身が遺産目当てに殺人を犯すかもしれないと。珠代をも疑う金田一に中館は「人間はそんなに冷血に・・・」

「もう既に誰かが冷血になってますよ。現に若林さんがころされているじゃありませんか。」
金田一は言葉をかぶせ発言をさえぎった。

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珠代は佐清を愛していた。そして佐清も。しかし、今、犬神家にいる佐清は本物ではない、珠代はそう確信していた。
また佐竹・佐智も佐清を疑うと同時に、珠代を何とかものにしょうと考えていた。


佐清の正体を疑う珠代は、那須神社に佐清の奉納手形がある旨を神主から犬神家に連絡させる。そして手形合わせを行う旨を佐竹は古館、金田一に知らせた。

手形合わせの晩、市内の旅館柏屋に顔に襟巻きをまきつけた兵隊服姿の男が泊まりに現れた。

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その頃、犬神家では松子婦人が手形合わせを拒み、その場を立ち去ってしまった。


そして若林の予言があたった。
犬神家で毎年行われる菊人形。その中の人形に佐竹の生首が・・・

別の場所で殺害し、首をのせたのである。


佐竹の死で疑いがかかっているとしった松子は手形合わせを許可した。佐清が自分で押すと言ったのである。

佐竹の葬儀の席、金田一は煙草を吸う梅子に
「煙草がお好きなようですね」
「松子さんや竹子さんもすわれるんですか」と訪ねる
梅子は吸いますと答えた。

金田一は部屋に残っていた若林の煙草が気になっていた。

これで婿候補は2人になった・・・



観音岬で死体をはこんだと思われるボートが発見された。その付近を調査した金田一、警察は柏屋に不審な男が宿泊していることをつきとめる。

金田一耕助はつぶやいた
「顔を隠した男が2人・・・」


手形は一致した。その報告の場、松子は微笑み、珠代は首を横に振った。

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さらに犬神家について調査する金田一。彼は犬神製薬の躍進の秘密をしる。


金田一耕助は若林の死因をさぐることが解決の糸口だと考えていた。
部屋に残っていた若林が吸った煙草を調べた金田一は、若林の死因は煙草にはいっていた毒によるものであったことを知る。

そんな中、佐智が殺害された。また殺害後、死体を移動した。
首には琴の糸がまきつけられていた。
金田一はつぶやいた、
「菊のあとが琴とはねぇ・・・」

これでとうとう婿候補は一人に。


佐智が殺され、琴の糸がまきつけられたことで竹子は青沼親子に佐兵衛が犬神家の3種の家宝、黄金製の斧(よき)、琴、菊を与えてしまったこと、松子・竹子・梅子の三人で菊乃のところへ乗り込み、制裁を加え家宝を奪い返した事を警察、中館、金田一に告白する。

「おまえたちを呪ってやる。斧(よき)、琴、菊で恨みをはらしてやる」
菊乃はそう叫んだ。

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「よき こと きく この祝いの言葉が今は殺人の道具に使われている」
「僕が心配なのは、まだ斧(よき)がのこっているということです」
金田一はそう口を開いた。

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金田一は犬神佐兵衛と野々村大弐の複雑怪奇な関係を知り、珠代が佐兵衛の本当の孫であったことを知る。そして若き日の佐兵衛の苦悩をも。

金田一耕助は中館につぶやいた。
「一連の殺人事件は。佐兵衛翁がやらせているような気がしてならないんですがねぇ・・・」
中館は反論した、
「バカなっ!佐兵衛翁は7ケ月前に死んでいるですよ。」



犬神家では松子が珠代に、もう婿はこの佐清しかいないと、すごんだ。
珠代は言った、
「おばさま、その人は佐清さんではありません・・・」



金田一が那須をはなれ松子婦人の実の母をたずねていた間に湖で第三の犠牲者が発見される。

それは顔が焼けただれた死体。佐清であった。

金田一はその死体の指紋と奉納手形の指紋を検証するよう要請した。指紋は一致しない。
金田一は言う。
「静馬ってことになりますね。」

青沼静馬は佐清になりすまし、犬神家に入りこんでいたのである。そして、その事を知り、密かに入れ替わろうと顔をかくし那須に戻った本物の佐清。
そして犬神家に忍びこみ、静馬との対面中に彼ら二人の前で思いもよらぬ出来事が・・・

佐清は一連の犬神家の殺人事件は自分の犯行である告白状を珠代にわたす。

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金田一にその告白状を見せる珠代、そこに猿蔵が来て、佐清が逮捕されたことを告げる。


取調室の中、警察署長と金田一の前で犯人は自分であることを自供する佐清。
金田一は口をはさむ、
「そうじゃないでしょう。あなた逆に静馬に脅迫されたんでしょう」

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ことの真相を語りだす。金田一。
金田一が犯人を言い当てた時、佐清は泣き出しくずれおちた。



その後、一人で松子婦人を訪ねる金田一。

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「金田一です。」

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金田一は自分の推理を松子に話す・・・

「犯人は貴方ですね。」

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「真犯人の知らないとことで共犯者がいて、事後の後始末をしていたのがこの事件の特徴なんです。」

更に語り続ける金田一耕助、
「僕はこうおもうんです。貴方は佐兵衛翁の望んだことを貴方の手で実行してしまったんですね。」

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そして珠代の素性を告げる金田一。

松子は犬神家の財産が野々宮家の孫、珠代の手にわたるのが許せなかった。そして、なんとしても自分の倅、佐清に犬神家を継がせたく、珠代と一緒にさせたかった。どんな手を使おうとも・・・

「珠代が野々宮家の孫じゃなかったなんて!  佐清に会わせてください・・・・」
崩れ落ちる松子。


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犬神家の座敷。
松子、竹子、梅子そして夫達、署長、中館、珠代が揃っている。
金田一は全ての真相を語りだす。


佐清になりすまし、犬神家に入りこんだ青沼静馬。彼は珠代と結婚し、犬神家を乗っ取ろうとした。つまり斧(よき)・琴・菊を手にいれ、母 菊乃の復讐をしようとしていたのである。
静馬は松子婦人の前で、叫んだ
「勝った!俺は犬神一族に勝ったんだ!」
それを聞いた松子は斧を手にした・・・


松子は話の間につぶやくように語る。
「何かが起こる時、私は私自身を失ってしまう。私以外の何かが私を動かす・・・」と。
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直後に、佐兵衛の遺影が壁から落ちて割れた・・・

松子は見えない力に動かされていた。それは佐兵衛の望みであり、怨念でもあった。
本当に愛した女の孫、野々宮珠代がやっと犬神珠代になる・・・


目を閉じ、金田一の話す真相を聞く松子。
やがて、煙草を手にとる松子。

金田一耕助は見てはいけないものを見てしまったように、無言で松子から視線をはずす・・・
彼自身も半信半疑なのかもしれない・・・

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松子は珠代が佐清の出所を待ち一緒になることを確認し、煙草を深く吸い込んだ。
そして彼女の最期の言葉、
「佐清、珠代さんを父の怨念から解いておやり・・・」

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「しまった!!」金田一はまっさきに立ち上がり松子に近づいた。
「煙草だ。若林さんを殺したのと同じものがこの煙草にはいってたんだ」・・・




金田一耕助が去る日。
中館は金田一に言う、

「非常に不思議な事件でした。警察の通り一遍の捜査だけでは解決できなかったでしょう」
そういって、別に謝礼をわたそうとする。
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金田一は、
「僕がもう少し早く糸口を捜しだしていれば、五人の被害者をださなくてすんだんではないかと申し訳なくさえ思っているんです。勘弁して下さい・・・・」
そこには彼自身のヒューマニズムへの葛藤や苦悩があった。
これが名探偵の真実・・・


中館はみんなが送りにくることを金田一に告げる。
中館の電話の最中に金田一はひとり事務所を後にする。

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犬神家では珠代が見送りにでかけようと玄関におりる。」
「おや、おまえも金田一さんをおみおくりにいくの」

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そこには花束を手にした猿蔵が立っていた。
普段あまり笑顔をみせない彼が笑顔でこたえる。
「あの人のこと忘れられない・・・」


一方、警察署では署長も駅へと向かう。


そのころ金田一は予定より早い汽車に飛び乗っていた・・・

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「手毬唄」同様、犯人はあきらか、金田一の洞察力、するどく犬神家闇の奥深くをえぐりだしてゆく過程がみどころである。

この豪華キャストは今の俳優陣では無理である。どんな画、内容に仕上げるのか、リメイクは本作を超えられるのだろうか・・・







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※『犬神家の一族』(2006年版)の感想はこちら

   『「犬神家の一族」(2006年版) 贅沢なリメイク版・・・ 』
   (http://toridestory.at.webry.info/200612/article_15.html


※『犬神家の一族』に関する最新の記事は、こちら

   『犬神佐兵衛翁、遺言状にこめた真実の愛 〜「犬神家の一族」 』
    (http://toridestory.at.webry.info/200705/article_4.html










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2008/03/29 05:14

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
書き込み有難うございました。

横溝ワールドの持つあの何とも言えないおどろおどろしさと、因習的な世界が好きです。そして市川監督の紡ぎ出す映像美も素晴らしく、それが絶妙にマッチした「犬神家の一族」は自分の御気に入り作品の一つで、これ迄に10回以上は見ています。

ですので、市川監督&石坂氏のゴールデン・コンビでリメイクされると聞いた時は、心が時めきました。最近はCMで石坂氏が金田一ファッションで登場していますよね。公開が楽しみです。

しかし、万年青年と言われた石坂氏も、こうやって過去の映像を見るとやはり老いましたね^^;。御年65歳という事を考えれば若いのですが、事件現場に下駄で猛ダッシュするシーンが在るならば、息切れとかしなければ良いのだが・・・と、その点が気になっております(笑)。

今後とも何卒宜しく御願い致します。
giants-55
2006/10/01 00:50
コメントありがとうございます。
そう、さすがに石坂浩二は歳ですね〜。
でもおっしゃるとおり、全日空のCMもあり、ますます公開が楽しみですね。
イエローストーン
2006/10/01 01:12
こんにちは。TBありがとうございます。
今からリメイクをとても楽しみにしています。
石坂さんが主演というのは、個人的に嬉しかったです♪
こっちゃん
2006/10/29 09:37
すばらしい記事ですね。
たくさんの画像と、適切なイエローストーンさんのコメントで
観た時のことが甦ってきました(^o^)
奈緒子と次郎
URL
2007/01/09 14:26
奈緒子と次郎さん、コメントありがとうございます。
記事お褒めいただき光栄です。
完全にネタばれなんですけどね・・・。私はもうこの映画は皆さんしっていると思いこんでいるので。でも他の記事も基本は全部ネタバレなんですけど・・・。
率直に思ったことを伝えようとすると、どうしても書かずにはいられないんですよ。
この記事でオリジナルを想い出していただけたり、またみようと思っていただければ幸いです。
イエローストーン
2007/01/09 18:12
TB有難うございました。
推理小説を読まなくなって久しいのですが、当時のことが蘇ります。これを観たら第3作以降の三本も観たくなりました。「病院坂」は一回しか見ていませんので特に。
市川崑ちゃんならではのダイナミックな演出、歯切れの良いカット割り、良いですね。そしてフィルムならではのウェットな質感。ビデオの軽い質感ではおどろおどろしいのは駄目ですね。
オカピー
URL
2007/01/20 02:20
オカピーさん、コメント&RTBありがとうございます。
三作目以降も原作とはかなり違うものの1本の映画としてはかなりイイですよね。
「病院坂」のラストは泣けるものがあります。私は非常に好きです。
あとやはり、画はフィルムがいいですよね。VTRではない、なんともいえない味がありますね。
では、また。
イエローストーン
2007/01/20 08:48
TB&コメント有難うございます。今度のテレビ放送で久しぶりに観ましたが、子供の頃に観た時よりもずっと面白く感じました。子供の頃は殺人の残忍な手口や恐さに集中してしまって、戦争の傷跡がまだ癒えない人々の心情や金田一のヒューマニズムなどに目がいかなかったせいかも。リメイク作品も気になります。
ぶーすか
URL
2007/05/10 08:10

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