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zoom RSS 続・市川崑の金田一耕助

<<   作成日時 : 2012/02/14 17:28   >>

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金田一耕助。

この名探偵、誰のが、誰が演じたのが好きでしょうか。

古くは片岡千恵蔵からはじまり、池部良、高倉健、中尾彬、古谷一行、石坂浩二、渥美清、西田敏行、鹿賀丈史、豊川悦司などなど。

テレビでは、やはり古谷一行、小野寺昭、片岡鶴太郎、中井貴一、上川隆也、稲垣吾朗など。

演じた役者全てではないが、私の記憶ではこのあたりか。


なかでも、金田一の風貌をきちんと原作通りに忠実なのは、やはり市川版、石坂浩二からである。

石坂浩二以後でも、スーツスタイルの金田一も描かれているが、やはりこの金田一耕助という探偵、この探偵の魅力をひきだすには、というかこの探偵を生み出したのはその時代が大きく関係している。そしてその生い立ち、風貌、それを原作に忠実に描かないと、この原作をうまく映像化はできないのである。

バカな脚本家と間抜けな監督が映像化すると、原作の本質、核を理解できずに独自性で金田一を間抜けな探偵にしたり、、また姿こそは忠実でも勘違いのおどろおどろしさだけを全面に、それを核としてえがいてしまう、お粗末な内容になってしまう。

だが、原作にまったく忠実に風貌、経歴、性格のすべてを原作通りに描いている作品はひとつもない。
風貌はともかく、性格が・・・・。

私が想うに、やはりある一つの存在、それが大きく影響しているように想う。



まず、姿が忠実でないものは論外。ATGの本陣は評価もある意味高いが、やはりあの中尾のジーンズ姿はいただけない。あの時代だからこそ起きた事件であり、これを解決でけるのは、アメリカ帰りの素性の知れない、怪しげな風来坊しかないと横溝正史は誕生させたのである。



テレビでのファンは作品が最も多い、古谷一行の金田一が一番イメージが強いという方が多いであろう。
だが、私にいわせると、イメージと違う。

金田一は華奢でなければ・・・。


顔がいいのはね〜、みんな役者ですから・・・・・。



私の中では、小野寺昭、そして上川隆也の金田一も好きである。

だが、やはり、石坂浩二。


原作とは違い、ハンサムであり、また原作のように有名な探偵でない。また、原作と違い戦争経験がなく、煙草もすわない。そして原作にあるある種の汚さ、おごり、自信のようなものがない。一見、純粋で素朴なイメージがある。

この原作をベースに、原作を深く愛し、読み込み、理解した上で、つくりだした映像化主人公、それが、

市川崑の金田一耕助。



私は、やはり市川版の石坂金田一が一番である。

原作と違うじゃないかと言われるかもしれないが、当然である。
私は市川版の「犬神家の一族」をみて、あの石坂浩二演じる金田一をみて大ファンになったのである。

そしてその後、原作をすべてではないが多く読みあさり、原作を知った上でも、市川崑の金田一耕助が一番すきなのである。

次が、小野寺昭、そして上川。

古谷一行のはかなりの数みており、数が多いだけに長編でない短編も映像化しており非常に興味のそそる映像化作品ではあるが、いかんせん、古谷一行がいただけない・・・・・。

イメージが・・・・・・、違う・・・。




そして、先述したあるひとつの存在。

これが、市川崑の金田一耕助である。


市川版以降の映像化される金田一耕助はやはりあの石坂金田一を意識しているように想う。
どれだけ、踏襲するか、または全く壊すか・・・・。

原作のように、煙草を吸い、どこかある種のおごりがある原作に忠実な金田一ではない。すべてにおいて影響がるように、私は想える・・・・・。


そして、私が一番魅力を感じるのは、何度も記述していることだが、

あのヒューマニズム。

原作にある、あの金田一耕助独自のヒューマニズムを描くこと。
そこに最大の魅力を感じる。


ただ事件を解決するのではない。

その動機に深く入り込み、犯人の心情を追う。そして事件の謎を、まさに謎を追う。
そして、最後は・・・・・


あのヒューマニズム、私が感じるハードボイルド。
つまりは、優しさに痺れてしまうのである。








また、作品的にみた場合。

市川+石坂版がやはり一番である。


他の、映画、ドラマなど、もちろん、全ての作品をみているわけではないが。市川+石坂版をこえるものはないであろう。


ただ、金田一のイメージがいまいちだが、稲垣版で、作品的にすきなものはある。

「八つ墓村」、「悪魔が来たりて笛を吹く」、「女王蜂」。


「女王蜂」は、智子のイメージが一番近いと想うのと、チャチなCGではあるが、設定がきちんと月琴島になっている点、原作に近くえがいている点が非常に評価できる。

「悪魔が来たりて」も非常に好きな原作であり、なかなか評価できる映像作品だと感じた。

そして、「八つ墓村」。

これは、映画も含めた全ての映像化作品の中で、作品のできとしては一番である。
八の絡め方が原作よりもくどいが、有効な描き方であり、里子がいなくとも、その独自の表現であの原作を非常にうまく映像化している秀作である。

核がしっかりしている。

そう、

「竜のあぎとで授かりし子故、辰也と名付ける」

これが全てである。

そして、美也子の最期が描かれる点も含め、今の時点では稲垣版が映像作品の最高峰の「八つ墓村」である。




原作にさらに忠実に、里子をヒロインとして描き、私が原作を読んで驚愕した“繰り返される細胞の歴史、その執拗”を描ければ尚いいと私は想うのだが、とにかくこの原作は複数の愛、重要な側面が多く、映像化するには非常にバランスどりというか、描くのが難しい作品なのである。

この「八つ墓村」は原作も評価も私の中では高い。

同じく、「悪魔が来たりて」も、あの曲の秘密を知ったときは驚愕で、非常に質の高いミステリーである。

だが、基本私は、俗に言うおどろおどろしさを醸し出した田舎での連続見立て殺人の作品よりも、東京で探偵事務所を開いている描写、短編の東京での事件解決を描いた作品が大好きなのである。


私の中での金田一作品の一番は、「悪魔の降誕祭」。

そして、「百日紅の下で」も好きな、印象深い作品である。その典型的なひとつの形式とあの終わり方がファンにはたまらない。



まあ、全て読んだわけではないし、読んだもの大分前なのでほとんど内容をわすれてるんだけどね・・・・



私はやはり、長編よりも、そして田舎での見立て連続殺人よりも、都会の闇で事件を解決する金田一が大好きである。まあ、昔の東京を映像化できないからね・・・・、なかなか・・・・。



そして、よく映像化される原作の中では、私は「悪魔の手毬歌」が好きである。
あのなんというのだろう、読者に問いかける猛威というのかな。犯人の心情がまったく描かれない点。あのインパクトが、ミステリーがたまらない。



「犬神」も原作を読むと、あの想念、生涯でただ一人、本気で愛した女性の血を犬神の家に入れたいというその恐ろしい程の想念、その根源にある深い愛を読み取った時、見立て殺人などかすむ程のミステリーを感じた秀作である。

「獄門島」は、まさしく見立て連続殺人を描いた秀作で、市川版の映画よりもより原作はミステリーに溢れている。犯人の点もそうであるし、殺人事件を起こさねばならなかった三つの要因。そしてそれをそろえた人物。そして、動機の崩壊。正にミステリーの醍醐味である。

ミステリー的には市川版の映像化作品の中で一番優秀な原作は、やはり「獄門島」であろう。




さて、長くなったが、映像作品的にみて市川+石坂版の五作品(あえて五作品とします)の中で一番と想う作品は、


ダントツで、「悪魔の手毬歌」。


秀逸ですね。





あとは、順位はつけにくい。あくまでも映像作品だけを比べた場合に、


最後のという意味で、「病院坂」も捨てがたい。

あの写真の原板を割り、坂の上から奥様の亡骸のはいった人力車を見つめて、立ち去る金田一。
ヒューマニズム全快である。



それは「獄門島」にもいえる。

“のどが渇きましたなぁ”

と、立ち去る勝乃を数歩追い、そして追うのをやめて哀しそうに下を向く・・・。



「犬神」のラストもそうである。

煙草を吸う松子婦人に目をやらない金田一・・・・



そして、映像的にはたまらない歴代犯人総出演の「女王蜂」。
ここにくるとシリーズとしての面白さも加わってくる。



「手毬歌」以外は甲乙つけがたいが、ハッキリといえることは市川+石坂版の「犬神家の一族」が、すべての「犬神」の映像化作品の中で、最高峰であることだけは間違いない。

もちろん、オリジナル76年版である。


見立て連続殺人、三種の家宝の呪いはまさにこけおどし。核は、佐兵衛翁の至上の愛。そして愛ゆえのある想念。恐ろしいまでの、怨念さえも二番目にする愛深きゆえの想念。それが核なのです。

そこをきちんと描いている点で、秀逸なのである。

正に、遺言状にこめた至上の、真実の愛。


くだらない怨念の話としか描けない愚かな脚本家及び監督。そして描いているのに、台詞の意味をきちんと理解できずに、その核に気づかない間抜けな鑑賞者が多いことは哀しい現実としてある。

おどろおどろしい連続殺人事件であるとか、犯人を見抜けない探偵などと・・・・・・


特に、稲垣版の「犬神」は最低の脚本で、話にならなかった・・・・・





市川+石坂版は、やはり作品としてのクオリティは突出している。

画といい、台詞といい、仕草といい、そして金田一耕助といい・・・・



原作から、著名さとある種のダーティーさを消し去った、清涼剤の役目をする何もしない天使。どこか頼りのない風来坊。

謎は説くが、犯人は捕まえない探偵。

それは彼が名探偵であるが故。事件の真の奥底を見抜くから故・・・・

正義よりも、自身のヒューマニズムを貫く探偵。


それが、市川崑の金田一耕助なのである。
















※過去の金田一耕助関連記事はこちら

 
          http://toridestory.at.webry.info/theme/0d433388e2.html











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