市川崑の金田一耕助

市川崑は、今まで6作の金田一耕助を映画化している。

うち、もっとも新しい1本は、「八つ墓村」で、主演は豊川悦司。
しかし、今、7作目にあたる「犬神家の一族」のリメイクで再び石坂浩二を使う。やはり石坂は絶対的なキャストなのであろう(もう年だが・・・)。

過去の5作品。「犬神」から「病院坂」までは全て、金田一は石坂浩二。年齢的にも原作に近く、横溝正史をして、原作にもっともイメージが近いといわしめた。ただ一つハンサムすぎることを除いて。

しかし、その市川の金田一は原作の金田一耕助とはけっこう違う。原作は警察界では名探偵として有名な存在で、“金田一先生”とよばれている。そして金田一がもっとずうずしく面があり、酒も飲むし、煙草もすう。つまり映画よりも、そのダーティーな部分が原作ではみられる。東では警視庁の等々力警部、西では岡山県警の磯川警部と友人でもある。
映画はおどろおどろしい田舎での連続殺人の原作を好み、映像化されているが、私は東京でひなびた探偵事務所を開いて、事件を解く短編が非常に好きである。
私は特に「悪魔の降誕祭」が好きである。

脱線したが、その市川金田一、私はハードボイルドだと思う。
彼は、「病院坂」で草刈正雄のせりふにあるが、「金田一さんは犯人に同情的なんですね・・・」 
金田一耕助は悲しそうな顔をして、何も答えない・・・

彼に立ちはだかる事件のが奥深いところに動機や事件の背景があるため、彼は犯人に同情し、わざと最後は旅立たせてしまう。

「犬神」しかり、「手毬唄」しかり、「獄門島」「病院坂」・・・
「女王蜂」は突発だったのだろうが、神尾秀子のむくわれぬ愛に同情し、真相を表沙汰にはしない。

私は一般的な意味合いとは異なるのだろうが、ハードボイルドを彼に感じる。つまり優しさである。

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追記;この記事を書いたのちに「悪魔の降誕祭」を読み返して、金田一耕助、独特のヒューマニズム、私が感じるところのハードボイルドは原作にあると気づいた(読んだのが20年も前で詳細をわすれていたのである)。
原作を愛し、深く理解している市川監督はそのキャラクターを原作とはおおきく変えつつも、そのヒューマニズムは当然のことながら残してたのである。









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  • 「市川崑の金田一耕助」について

    Excerpt: 「市川崑の金田一耕助」について 訂正というか、追記。この市川金田一にみられるヒューマニズムは原作でもえがかれている。 Weblog: 取手物語~取手より愛をこめて racked: 2006-08-15 23:35
  • 石坂浩二の金田一耕助

    Excerpt: 私的には、金田一耕助と言えば、石坂浩二です(オットは、古谷一行だと言ってます)。 Weblog: しずくの部屋 racked: 2006-09-18 18:18