ハロー、カウボーイ! 「ジュニア・ボナー」~8秒間にかける男の意地・・・。

失われゆく西部・・・。
限りない愛着と郷愁をこめてペキンパーとマックィーンが描く、流れ者のロデオマン、カウボーイの物語。


「ジュニア・ボナー」  1972年 アメリカ

監督 サム・ペキンパー

主演 スティーヴ・マックィーン



冒頭からペキンパー色、全開!

セピア、ハイスピードでの映像、細かなカット割り。
そしてタイトルバックではマルチでみせる。

非常に効果的であり、私の好みである。

そして、マックィーン演じるジュニアの心情と身体の状況が伝わる非常にいい画である。


この作品について記事にするのは2度目だが、
(「マックィーンが魅せる、西部への郷愁・・・」 http://toridestory.at.webry.info/200608/article_67.html
非常に好きな作品である。

そして、非常にマックィーンらしい作品。
やはり彼には西部の男がよく似合う。

そして、ペキンパー。
バイオレンスと一般に言われるが、決してそうではない。
非常に男くさい、時代遅れの頑固で不器用なカウボーイ。
これほど硬派な作品があるだろうか。
やはりペキンパー作品。








元ロデオチャンピオンのジュニア・ボナー。
既に最盛期をすぎた彼は地元でのロデオ大会の4日前、別の地での大会で、“悪魔”といわれる不敗の荒牛『サンシャイン』にのり、振り落とされてしまう。
そして地元、プレスコットでの大会へ出場の為彼は久々に帰郷する。そこで彼は主催者に、誰もが乗ることを避ける荒牛『サンシャイン』に再び乗れるように密かに頼みこむ・・・。


何度も差し込まれる冒頭にロデオシーン。ジュニアの悔しさとその深い思い、男の意地、彼の頭にやきついて消えないのであろう。それがよく伝わる効果的な画である。その細かなカット割りとセピア色が非常に生きている。

途中、ロデオ競技中の早送りはコミカルでおもしろい。そしてその後の非常に細かなカットとハイスピード映像のオンパレード。ここは私は基本的に好きなの別に抵抗はない。というより、
ストーリー部分の展開及び画との対比、さらにその競技の特性(時間とその動きの早さ)から考えて、それを伝えるのにこれは非常に有効な画ではないかと私は感じる。非常に迫力が伝わる。

そして、ボナー家の人間たちのキャラや絡めかたも非常にいい。父エース・ボナーが特にいい。そのキャラ、この父あってこの息子ありという気がする。
父子で馬に乗り、パレードするシーン。そしてその後パレードをはなれ馬で2人で駅へ向かうシーンは最高である。

しかしそんな似たもの親子でありながら、結局は、一番頑固で、昔気質、時代遅れの根っからのカウボーイ、それはジュニア・ボナーただひとり。
兄カーリー・ボナーが始めた不動産業を目にした時のジュニアの表情とセリフがいい。
『カーリー、これは何事だ。』

そして、何度も事業に手をだしては失敗している父エース。今度はオーストラリアの銀鉱に目をつけ、現金ほしさに自分の1600エーカーもの牧場をカーリーに安値で売ってしまう。
しかし、頭金をはらうがオーストラリアへの飛行機にチケットも買えない始末。

ジュニアは、父の好きにさせたらいいと兄カーリーにいい、さらに安値で買った兄に内心腹をたてていた。兄カーリーは、金は一文もださないと、そしてここにいるのなら生活の面倒はみるという。
父とは別居していた母の家に夕食に集まった兄弟2人、兄の父をバカにした発言に頭にきたジュニアはカーリーを殴り倒してしまう。


結局、ジュニアの気持ちを理解してくれているのは母なのだろう。そして父エースのことも・・・。

パレードでの兄カーリーと会うシーン、酒場で兄が借りを返すシーン、私は好きである。
兄もやはり弟を愛しているのである・・・。


そしてジュニアがある女をダンスに誘ったことが要はきっかけで酒場でケンカが始まる。
大騒ぎになる酒場だが、それをしずめる為、1人の男がバンドに
『国歌をたのむ』
と言う。
バンドがアメリカ国歌『星条旗』を奏でる。
すると、大騒ぎだった酒場は全員が起立し、無言で国歌に耳をかたむけ、騒ぎが収まる。

どこかの国の国歌を強制するなとか、演奏したくないなどとほざく連中に・・・、イヤ、やめときましょう・・・・。これを話しだすと自分が押さえられそうもないもので・・・・・・・。


基本的なアングルや構図、そして風景描写など、澄み渡る青空が美しく、かなりいい。
そして最後の各人物達の別れ、ジュニアは酒場で自分から声をかけた女を空港まで送り、母に別れを告げ、そして父にはあるプレゼントを残し、またロデオを追いかけてひとり旅立つ。
その時のストップモーションの使い方が絶妙。
非常に、ほのぼのとさせらると同時に、頑固な不器用な男の生き方がひしひしと心に伝わってくる。西部への深い、限りない愛着と郷愁がその画にこめられた、死体と銃撃はないが、ある意味非常に男クサイ、ペキンパーらしい作品。
かたくなな男の思い、生き方、家族の愛がひしひしと画から伝わる。
男は是非見て欲しい。

ロデオシーンのハイスピード映像が、心にしみるほど、激しく、美しい・・・。

そして、あのマックィーンの姿、表情が、 たまらなくカッコイイ・・・。

エンディング、彼の車が長い1本道を夕陽の中走ってゆく。その地面にのびる長い影とどこまで続くのだろうか、その先の見えない1本の道が彼の生き様、人生そのものにみえる。
バックに流れるロデオマンが心にしみる・・・。


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私は、「ゲッタウェイ」よりもこちらのほうが好きです。

いや、とても硬派で、一番ペキンパーらしいと想います。


そして、マックィーンの作品の中でも一番彼にピッタリで、もっとも当たり役であり、一番好きな作品ですね。

二番目は遺作となる「ハンター」。
あの時代おくれの賞金稼ぎ。非常にマックィーンらしい。
それと運転がヘタなところがまたいいっ!
そして、
たしかに歳はとってしまいましたが、わざわざ老眼鏡をかける彼、いいですね~。


もちろん、「ブリット」や「トーマス・クラウン」や「インフェルノ」の彼はカッコいい。
「荒野の7人」、「ネバダ・スミス」、「大脱走」もいい。

だが、マックィーンらしいのはやはり、この「ジュニア・ボナー」それと「トム・ホーン」かな。


そして繰り返すが、作品として好きなのは「ジュニア・ボナー」と「ハンター」。





ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦




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    Excerpt: 『ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦』 ---Junior Bonner--- 1972年(アメリカ) 監督:サム・ペキンパー 出演: スティーヴ・マックィーン、ロバート・プレストン、アイダ・ルピノ.. Weblog: こんな映画見ました~ racked: 2007-03-08 23:41
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    Excerpt:  【過去の映画感想】ブリット   1968年アメリカ 【監督】ピーター・イェーツくらくらくら。マックィーンファンにはたまらない1本。いや、ファンでなくても、見たらやられて.. Weblog: 終日暖気 racked: 2007-05-13 21:21