「新幹線大爆破」

新幹線ひかり109号に爆弾が仕掛けられた。

乗客人数1500人。犯人の要求は現金500万ドル。
既に東京駅を出発している109号、爆弾は時速80キロ以下になると爆発する仕組み。新幹線の鉄壁な安全対策、その基本理念、それは何か小さなことでも問題があったらすぐに止める。それが、安全の為のシステム、ATCが全く役にたたず、イヤ邪魔になってしまった。安全の基本理念が実行できない国鉄。
止めることができない超特急、新幹線109号、速度を調節し、博多までの時間を稼ぐ中、警察は必死の捜査を進め、車内では様々な問題が次々と起こる。

主犯の沖田は、仲間が次々と死んでいくなか、その計画をすすめ、とうとう500万ドルの金を手にするが・・・・・、そして新幹線は、乗客1500人の命は・・・・・・・。




「新幹線大爆破」  1975年 東映


監督 佐藤純弥

脚本 小野竜之介 佐藤純弥
撮影 飯村雅彦 山沢義一 清水政郎


主演 高倉健

出演 宇津井健 山本圭 千葉真一 小林稔侍 竜雷太 
    丹波哲郎 北大路欣也 田中邦衛 川地民夫 志村喬 
    岩城滉一 志穂美悦子 多岐川裕美 
    宇都宮雅代 郷鍈治   
    渡辺文男 鈴木瑞穂 黒部進 浜田晃  



何度も鑑賞している作品。

聞くところによると、何年か前のお台場のフジのイベントでこの作品を上映し、それをみた亀山Pが映画「交渉人 真下正義」をつくろうと思ったとか・・・。

主演者は基本的に豪華です。まあ、それでもゲスト主演がけっこういますけど。

また基本的な話の筋はおもしろいです。
黒澤監督の「暴走機関車」に当社、佐藤監督が参加することもあり、その関連性についてはいろいろ言われていますね。また「スピード」も、「暴走・・・」とも、この作品からヒントをとも言われています。

パニック映画らしく?、様々な出来事が車内でおこります。
その描きかたは実に滑稽な部分もあり、極限での人間の醜さや、人間の思想というんでしょうか、頼る思いといってもいい、その部分もおかしいですね。

ただ、健さん演じる犯人、沖田とその仲間。
この犯人達、う~ん、計算して綿密なようで最初からもうミスの連発。ここがみていて、ハラハラというか、イライラする点ですね、入り込めば入り込む程。
“何してんねん!!”
と。

また、内容が内容だけに国鉄の協力は一切得られずに、コントロール室のセットつくりに関してや、撮影には苦労したようである。
特撮、ゲリラ撮影や別件撮影なども行われたようである。

特撮に関しては、この時代ですのでね・・・・。

あと一応先述しましたが、本作、パニック映画、う~ん、たしかにパニックが起きますが、その乗客達の描写というのはそれほど深いものではありません。時折挟む程度、また妊婦の出産を絡めいますが、哀しいエピソードではありますが、それほどのパニックらしいものでは・・・、
一番パニックらしく思えるのは、郷鍈治演じる沖田達にダイナマイトを都合した男が犯人の一味と乗客達が勘違いして、襲いかかるシーンですかね・・・。

制作側の意向はその乗客の部分も、所謂パニックとして、上記のように人間の醜さなり、その部分を描いているだろうが、やはり深いものではない。

やはり軸は犯人達の動き、それに付随しての警察の動きと国鉄側の様々な危機の回避場面だと思います。
車内でいえば、乗客の様々な描写よりも、千葉真一演じる運転手青木の言動のが強く感じるものがある・・・。

ただ、いかにも映画的な展開が多いのはやはり否めない。
そして、これも繰り返しになるが、綿密なようで実はマヌケな犯人達。演じている俳優やその演技と、その行動自体のギャップにやはりここでも、
“何してんねん!!!”
なんです・・・・・。


ただ、いかにも日本映画らしい、沖田の回想シーン。
これはこの展開の作品においては有効だと私は感じます。主役本意で鑑賞する私、これはその経緯、といっても実に簡単ですが、それを知る上と感情移入する上では必要ですね。


そして、犯人同様、ミスが多い警察。
このまま爆弾が処理できなければ・・・・。

そう、ゼロ地点の浮上。
政府としてのいつもながらの、そう、この手の事件等も場合、二次災害は厳禁。最小限の犠牲で・・・・・。

なんだかんだ言いながら、私はイライラしながらも、楽しんで鑑賞しました。
いつもいつも。

主役である健さん、彼がいいのは当たり前ですが、そのう彼の場合、芝居のウマサとかそういうものではないですよね。一言でいえばファンなんで、これが全て。
仲間の学生運動家崩れの山本圭演じる古賀。彼がいいですね。ほんと山本圭はなにか信念のもった、うっと強い位自分を主張する人間の役は上手い。
そして、千葉真一演じる運転士、そして何より宇津井健演じる新幹線指令室長の倉持でしょう。もう1人の主役という部分ではやはり彼でしょう。
その誠実でバカ正直なまでの新幹線の安全を、乗客の命を、そして心配ているであろう乗客達の親族を思う気持ち。
現実とその理想ともいうべき命を救う思いとの葛藤の中で決断と指示を迫られる彼。

実に的確に指示をだしますが、最後は・・・・。
そこし、重たすぎるとの思いもありますが、あらためてその責任の重さに気づいたというか、疲れたところなのでしょう。


撮影の面で様々な苦労して部分においては、まあうまく撮っていると思います。
が、やはり特撮は当時ですから・・・。
そして、単に画として見た場合に、そのアングルであったり、カット割り、編集なりでは特にはないかな・・・。


犯人沖田、彼の空港での行動も、やはりキレるようで、実は・・・・。

ただ、金は手にしたものの、彼は本当に自分の本意でこの事件を実行したのだろうか。当然自分の為はあったろうが、それが全てなのか。
計画が崩れ始めた中、すすめたこの事件。
途中に古賀相手に沖田はあることを口にする。
それが本意では・・・。
何の為に彼は・・・・。
最後、信頼できた思いを共にした仲間を次々に失い、前妻と子供の顔をみた彼。
最後、必死に逃げる彼、
「止まらなくば、撃つぞ」
との、警察の声、それでも彼は投降せずに走り出す。
それは自分の為なのだろうか・・・・・。
町工場の経営に失敗した彼、その彼にとって高度経済成長とは、その象徴ともいえる新幹線とは・・・・。

彼の本当に行きたかった場所は・・・・・。





「怖くない、俺はもう何にも怖くない・・・・。」





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