最高のラストシーン(邦画編) エントリー2  「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」

このラストシーンのエントリーは時間をかけて長いスパンで行っていくつもりですが、2作目のエントリーをしたいと思います。



「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」


ご存じ寅さんシリーズ第25作。
シリーズ中盤以降の最高傑作だと思います。
リリーの出演3作目。

舞台は沖縄。

仕事先の沖縄で病気で倒れてしまったリリー。
淋しさから寅次郎に逢いたいとの手紙がとらやに届く。

飛行機嫌いの寅だが、大騒ぎの末、飛行機に乗り沖縄へ。

沖縄でリリーと無事に逢うことができた寅。リリーは涙を流して大喜び。
毎日のようにリリーの病室に通い、励ましやさしく献身的に看病する寅。

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やがてリリーは回復し、二人は寝る棟こそちがうものの地元の漁師の家でまるで夫婦のような生活を送る。

だが、リリーが回復するにしたがって、入院中のようにいつもそばにいてほしいリリーの気持ちをよそに、ねっからフーテンの寅、リリーが療養する家にずっといることはなく、商売にいく日もちろんあるものの、あちこちとフラフラ外出し、地元の若い娘と浮かれはじめる。

やがて長期の入院療養で手持ちの金が底をついたリリーは病み上がりながら仕事を再開しようとする。
それを知った寅はまだ早いと、もっとのんびりしていればいいと反対する。

「もうお金ないの。どうやって食べてくの。」

「おまえ、貯金もってたじゃないか。」

「つかちゃったのよ。」


「俺がなんとかしてやるよ。」

「やだね。」

「どうして。」

「男に食わしてもらうなんて、あたしまっぴらっ。」

「水くさいこと言うなよ。おまえと俺の仲じゃねえかよ。」

「でも、夫婦じゃないだろ。
 あんたと私が夫婦だったら別よ。でも違うでしょ。」

「バカだなあ、おまえ。
 お互い所帯なんかもつガラかよ。真面目な顔して変なこと言うなよ。」

リリーの愛の告白だった・・・。


その後、ささいなことから喧嘩をしてしまう二人。
リリーは寅をおいて沖縄を離れてしまう・・・。




やがてやっとのことで柴又へ帰った寅。
沖縄での二人の生活ぶりと最後の晩の会話のやりとりをきいて、さくらを筆頭に、とらやの全員から避難をうける。
なぜリリーの愛に応えなかったのかと。
どこの世に、おまえにプロポーズする女がいるのか、と。


やがてリリーがとらやにやってくる。
喜びの再会をはたす二人。

とらやでさくらや博、おいちゃん、おばちゃん達と一緒に、沖縄での出来事、想い出話をするふたり。
すると寝そべって天井をみながら寅が口をひらく。

「リリー、俺と所帯もつか。」

リリーは驚きで寅を真顔でみつめ、とらや一同も驚きの唖然とし、二人を見つめる。

我に返ったように、あわてて寅はおきあがり、

「俺、今なんかいったかな。」

と照れ隠しする。

するとリリーは笑い声をあげて、

「あっははは、いや~ね寅さん変な冗談言って。
  みんな真に受けるわよ、ね、さくらさん。」

「そうだよ、ここはカタギのうちだからな、まずかったよ。」

ギコチなく笑いながら寅はそう言った。


さくら、博、おいちゃんは、何ともいえない淋しそうな顔で寅をみつめる。


「あたしたち、夢みていたのよ、あんまり暑いからさ・・・。」

「そうだ、夢だ夢だ。ははは。」

そういって寅は茶の間を離れ、庭へでていってしまう・・・。



リリーを送るため、寅とさくらは柴又駅へ。

リリーとさくらはベンチに座って電車を待っている。
寅はひとりはなれてホームの端に立っている。

「ねえ、リリーさん。」

「なあに。」

「さっきさあ、おにいちゃんが変な冗談言ったでしょ。
  あれ、少しは本気だったのよ。」

「わかってた。
  でもあれしか答えようがなくて・・・。」


互いに意地っぱりで、不器用で素直になれない二人・・・。

リリーと別れ、寅も旅にでてしまう・・・。



そしていよいよラストシーン。

柴又にも暑い夏がやってきた。
とらやではお盆で御前様がきており、寅の沖縄での話を懐かしむようにしていた。


山道のカーブの辺鄙なバス停。
うだるような暑さの中、そこで寅は団扇をおおぎながらバスを待っていた。

クラクションがなり、寅は振り返る。
すると路線バスでない、1台のマイクロバスが通り過ぎてゆく。

するとバス停を通り過ぎたバスがすこし先で停車した。
すると中から白い涼しそうな日傘をさした一人の女がおりてきた。
その女はバス停の方へ向かって歩いてゆく。

バス停でウトウトしかけていた寅は団扇を手から落としてしまう。
拾おうと手を延ばしたときに目の前に立つ女にきづく。

女の顔を見上げる寅。そして女の顔をみて嬉しそうな笑みをうかべる。
女もかけていた大きなサングラスを髪の上にあげ、同じく嬉しそうに微笑む。

すると寅が女を顔をみながら口を開く。

「どこかでお目にかかったお顔ですが、ねえさん、どこのどなたです。」

「以前お兄さんにお世話になった女ですよ。」

「はて、こんないい女をお世話した憶えはございませんが。」

「ございませんか、この薄情者。」

「はははっ。」

「何してんだ、おまえ、こんなとこで。」

「商売だよ。
 おにいさんこそ、何してんのさ、こんなとこで。」

「俺はおめえ、リリーの夢をみてたのよ。」


これから草津へ行くというリリーに一緒に行かないかと誘われ、
寅もそのマイクロバスに乗り込む・・・。

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すぐに女に惚れるが、相手が自分の方をむくとそれに応えられず自分から離れていってしまう寅次郎。
そんな寅、大抵は釣り合わないようなお嬢さんや、普通のカタギのお嬢さんに惚れることが多く、大原麗子や、竹下景子が演じたマドンナなど惚れられていながら自分から引いてしまう回も少なくない。

そんな中、リリーは寅と同じような流れ者の旅まわりの歌手。
いつもどこか哀しげで、群れなすことなく、一人で彷徨い、男勝りで気を張って生きている彼女が寅の前では素直になれる・・・、時がある。

互いに意地っ張りで、素直になれず喧嘩の多い二人だが、実は気の合う二人・・・。

このバス停での二人の会話がとてもいい。
私は大好きなラスト。

シリーズ中、もっとも好きなラストである。

もちろん、劇場公開で鑑賞したがその時に感じた。

“いづれは、リリーと一緒になるんだろうな”と・・・・・。

































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