キタノワールド ~『菊次郎の夏』 にキタノブルーの神髄をみた・・・

この数日、『キッズ・リターン』・『菊次郎の夏』を初見し、『座頭市』を再見した。


他人の評価はともかく、私の中での北野武監督作品の評価は非常に高い。


とにかく、私の好みなのである。

そして、恐ろしい程の感性の同調。





まず、何度も記述しているが、無駄な台詞、無駄なシーンがないこと。
そう、説明台詞・説明シーンの少なさが最も引かれる点である。

これは、無駄な台詞がないという点では市川準監督が唯一匹敵する。


だが、北野作品は、それ以上に、私の、人間としての本能というか、正直というか、それでいて禁断の、
いや、故に一番素直な、その想い、理想いや希望か、願望というのかな、現実の中の非現実、
その禁断の素直な非現実の想い、その同調が恐ろしい。




そう、私の好きな市川・石坂版金田一は映画なのである。映画職人、市川監督としての作品である。

が、それを私の中で超越したものがある。

それは山田ワールドともうひとつ、キタノワールドである。





『dolls』以降、その影を、こだわりを伏せたといわれれるキタノブルー。


私は『菊次郎の夏』で、改めて、その威力を痛感した。



何度もいうが、私の中のキタノ作品ベストワンは『あの夏、一番静かな海』である。

そして、次が『ソナチネ』。





私にとって、キタノブルーとは、一般にいう、その静謐感よりも、恐ろしいまでの緊迫と恐怖を感じる乾いた静謐感。
それももちろん、作品によっては感じるが、

私は、それ以上に、キタノブルーに透明感を感じる。


心癒されるまでの、透明感、素直な透き通った純真といってもいい。
その透明感、癒しをキタノブルーに感じる。


その一番が『あの夏、・・・』だが、

『菊次郎の夏』をみて、その威力に改めて驚かされた。


なんと美しい、素直な、透き通る純真な想いなのか。何という透明感なのか・・・・。



私は『菊次郎の夏』のせいで、『キッズ・リターン』の想いがかすんでしまった。

この作品は改めて再見しなければ・・・・。



それほどまでの、純真さを、癒しを、暖かさを、その透明感あふれるキタノブルーに感じた。


なんという安定感、安心感なのだろう・・・・・・。


これこそが、正に娯楽の神髄なのである・・・・。








また、『座頭市』はまさにエンターテイメントなのだが、これがキタノワールド。
時代劇などという固定の枠で定めてはいけない作品なのである。

そのような映画に対する順応性、臨機応変さがない、こりかたまった偏見が、時代に媚びた時代劇などという戯言をうむのである。

流れなのである。
その世界観。

CGがちゃちだとなどという批判は話にならない。


あの影の親方の目を切ったあとのあのタップ、いや、祭りのシーン。
あの悪人が消え去った安堵と明るさを表現するあのテンポ。
タップの音と市の歩み。
あのカットはラストとして秀逸。

そして、武の挑戦ともいえる市の主観ショットをくわえた本作品。

最後のセリフの真意は・・・・。



今見ると、やはり見えないと・・・・・。

あの祭りの、タップとの交差がメクラを転ばせた原因だと感じる。







今、これほど私を癒してくれる本編はない。

バイオレンスでは、恐怖的な静謐感を生むと同時に、その画に中和感ともいえる安心感と安定感をあたえ、
その反面、他作品では、心暖まるまでの癒しを、純真なる透明感をあたえるキタノブルー。

つまり、主人公の心の迷走に反し、画に安定感をあたえ、鑑賞者に安心感をあたえる。
それが、静謐感でもあり、透明感でもあり、癒しともなる。
それがキタノブルー。


そして、『Dolls』で感じた情熱的なまでの禁断の本能。その非現実な禁断の本心を貫く情熱の赤。



何度もみたくなる、その禁断の非現実の本能なる誠実、いや、正直なる想い。

現実とは何か。
時の流れに押し流される現実の中で、真実とは。
夢か、いやその非現実的な禁断こそが、理想とは違った本能としての真実ではないのか。
その恐ろしいまでの同調。


これがキタノワールドの凄さ。



もはや、映画をこえた真の娯楽かもしれない。
私の中では・・・・・・。


















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