さまよう刃  ~雪中に響く無念なる激情の銃声、それは理性・・・・。  

今日、ランチのかえりに久々に銀座へでた。

そしてブラブラと有楽町方面へあるいてきて、何十年ぶりだろうか、丸の内東映で映画をみてきた。


「さまよう刃」

原作は読んでいません。

なかなか雰囲気を保ち、一定のトーンで撮っています。

そして、過激な内容でありながら、いやそうであるからか、画は怖いくらい淡々と、そして静かにおとなしく進行していゆきます。

主役である寺尾のセリフはすくなく、心の動きの詳細は描かれません。
彼の行動と、最後の回想シーンでの竹野内演じる刑事との会話のなかで彼の変化していった最終的な思いがハッキリします。

寺尾と犯罪を、いや犯人をおう伊東演じる老刑事と事件の中で、寺尾の心情・行動に刑事としての、正義とはの迷いを感じる竹野内演じる刑事、この3人がメインです。

そして、山谷初男と酒井美紀がおいしい。
二人は親の立場、娘の立場、それぞれの立場で寺尾演じる父に助言、助けようとします・・・・。


刑事ふたりの行動、セリフ、そして特に伊東のセリフと竹野内の行動と表情がとても人間的で興味深く、そして印象的で、ラストもとても余韻の残る終わりかたです。

銃声と雪を踏みしめる足音が・・・・・・。
ある決意をした彼、その思いを決めた彼はどうような想いで雪の中を歩き、そして川崎へむかったのか・・・・。
そしてそこで見開いた目で彼がみたものは・・・・・。




あくまでも、あくまでも思いとしては寺尾に真の引き金を私は引かせたかった。そして娘の元へ行かせたかった・・・・。
だが、彼の変化したあの行動は法治国家に生きる人間としては効果的であり、正しかったのかもしれない。
彼の復讐の方法としては・・・。

切なく静かな激情の刃、それは不条理な正義・・・・。
だが、真の不条理はどこにあるのか。

法とは何か。
正義とは一体何か。何が正義なのか。

人間の感情とは・・・・。



伊東四朗演じる老刑事のセリフ、

「(娘をうばわれた時点で)彼には未来はもうないんだよ・・・・。」



法は感情で動かない。
法的にみれば、寺尾演じる父と犯人は同類である。凶悪な殺人者。
だが、その発端の動機をみるにこの二人は同類で本当にいいのか・・・・。





このような内容の映画をみると、特に、いや、やはり私は、以前からこのブログでも数回記述しているように私は死刑は必要だと思う。

すべての殺人に適用しろとは当然いわないが、非人間的な殺人行為、つまり今回の映画のような自身の快楽のために、それは性欲であったり様々だが、その自己快楽のために人間を人間としてあつかわずひとつの肉のかたまりとして扱い、処分してしまうような殺人には、そう、ちょうどあの光市母子殺人事件のような殺人者には死刑が当然であると私は考える。

可能であるのならば、その遺族に仇をとらせたいとさえ思う。
だがそれでは法治国家が崩壊してしまう・・・・。
もし私が、いや、私の最愛の人が事故や過失致死ではなく、自己快楽の犠牲者となったら・・・、
私も・・・・・・・・。
ただ、思いだけで実際にはなかなか行動はおこせないものである、理性ある人間は。
それほどの狂気であり、そうさせるほどの狂気なのである。



そのため、当然、映画として楽しむ上でだが、この作品をみていて、特に主役絶対本意で鑑賞する私は、寺尾に復讐させたい思いでスクリーンに目をやっていた・・・・。


自己快楽の為に殺人を犯したような奴に、社会復帰や更正の道などあたえる必要はない。
殺人の罪は死をもってしか償えないと私は考えます。

人権?以前も記述しましたが、死刑廃止などとのたまわっている奴はいくら学があろうとも愚かで、きれい事しかいっていない。

加害者の人権、そして更正の機会?冗談でしょ!
快楽の為に、人間を人間としてあつかわずに処分してしまうようなクズにいきなりその未来を奪われてしまった人の人権は?その人の未来は?その遺族の想いは?

更正の機会なぞあたえられる訳がない。どうかんがえても。



今、光市母子殺人事件に関するある本が問題になっているようだ。

「A(実名)君を殺して何になる」

このA君は、死んで、いや国家によって法のもとに裁かれて、殺されて当然。
彼を殺して何になる?
彼をころして罪の重さを、自分のやったことは分からせる。
そう、彼を殺して罪を償わせるのである。
いや、殺すのではない、裁くのである。罪を償わせるのである。ただそれだけ。

このようなタイトルが私には理解できない・・・・・。




私としたことが、映画がはじまれば全神経をスクリーンに集中するという私の鑑賞の仕方、映画に対するその姿勢が本日は崩れてしまった。
(まるでクライマーズハイの時のように・・・・。)

本編鑑賞中から光市殺人事件のことが頭をよぎり、映画に集中しきれなかった・・・・・。




最後にひとこと、未成年者であろうと、罪の種類、重さによっては死刑は対象とすべきであり、この死刑という刑は、殺人という非人道的な行為(もちろん全ての場合ではないが、)が無くならない限り、なくしてはいけない刑なのである。
私は優しい。
人間のクズに死以上の地獄を見せる必要はない、肉体的な苦しい思いもさせることもない。
強姦され、蹴られ殴られ、薬をうたれゴミのように捨てられた被害者のようにすることはない。ただ、静かに死をあたえてやる、そしてそれによって自己の罪を償わせる。
そしてその中で苦しむのではなく、獄中で自分の死をいつかいつかと待つ中で、死の恐怖から自身の罪を自覚させ、命の尊さを理解さけ、犯した殺人という罪を償わせる。
これは死刑によってしかなしえない最も道理的で、良心的で倫理的にも正しい、そして人権を尊重した優しい刑である。

遺族感情を考えた場合に、自身に置き換えた場合に、殴り蹴り、半殺しにしたあとでじっくりとその苦痛と死を与えてやりたいほどである。
(おっと酒がはいっているせいか、とりみだしてしまったか・・・)


そしてl死刑こそがこの映画のような人間を、
                後味の悪い不条理を、
                  生まずにすむのである・・・・・。




己の勝手な判断、快楽の為に人の未来を奪った人間から、同様に未来を取り除くだけ。
人を人と思わずただ処分するような行為を行う奴に、その罪の重さ理解させるには自身の命をもって償わせるしかないのである。
終身刑も無意味。獄中でさえ生きていることは許される者では決してない。


よく、

 「殺して何になる。」
 「そんなことをしても故人はよろこばない。」
 「故人は復讐する君をみて何というかな。」

などという言葉を聞く。

確実なことは、故人はもう語らない。
そしてそれは所詮きれいごとでしかない。

復讐をして心が晴れるか?いや、決して晴れないであろう。
だが、哀しみと憎しみは比例する。大抵の場合において。
そして、憎しみが哀しみを越えたときに、理性をうしない、悲劇が繰り返される。

クズを処刑することは、そのふたつのうちのすくなくとも片方を軽減させることができる。
人によって様々だろうが、私はそうであるし、そう考える。

だが、法にかわる自身の裁きは、それを断行した後に、より大きな負担で心を満たすことであろう。
だが、それは自身がのぞんだこと・・・・。


故に、合法のもとに極刑というのは必要であると考える。
不条理なる正義を生まないために・・・・。







そして刑が確定後は、冤罪の可能性のない件に関してはすみやかに粛々と執行されるべきである。
判を押さない大臣は罪である。
これで、陛下が御崩御され恩赦にでもなったらたまらない・・・・・。

当然の、ごくごく当たり前のこと。

光市の件も、
愚かな弁護士どもが騒いでいるが、
あのクズが死刑にならなければ日本は終わりである。

ドラえもんなどと悪あがきする奴が、いやそのような知恵をふきこむ弁護士も私にいわせれば悪徳でクズである。
まったくもって反省などしていない証なのである。




長く脱線してしまいました。
映画に戻りましょう。



父の心の動き、その変化の詳細が描かれない部分が不満ではありますが、私にはそれがかえって印象的で心に響く、そして残るラストとなりました。

空を仰ぐ老刑事、法廷での若い刑事のあの表情。
そして、
雪中の暗い夜空に向かって放たれた銃声。
それは切ない激情であり、不条理を痛感する無念なる理性でもあった・・・。
そして父はある決意のもと冷たい暗い雪の中をゆっくりと歩き始める。

それが、

その、

寺尾演じる父親の足音が、冷たい雪を踏みしめる足音が、その覚悟を決めた思いからか力強く、そして娘への想いからか、どこか哀しげで切ない、その足音が、耳から離れない・・・・・。


画像


画像






酒も入って書いたせいか、まあ、ずいぶんと本音が・・・・。

そして歳をとったせいか、鑑賞しながらいろんなことを考えてしまうことが最近多いな~。






【追記】

話の核たる部分が違うので当然なのだが、「ブレイブ ワン」を見たときと何か違う感じがする。
もちろん、話が違う、あちらは悲劇からの立ち直りの話が主軸、そして洋画と邦画の違いからか。

「ブレイブ ワン」のがあくまでも映画としてその感想を書くことができた・・・・。





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