回想・添乗員日記
昭和6○年 商工会関係団体の伊豆・伊東温泉への1泊バス旅行
まあ、観光というよりは、いわゆる宴会旅行である。
バスは長年使用している我孫子にあるT武の傍系のBバス。
バスの運転士はベテランのNさん。
ガイドは、まだまだ新人のX。
添乗員として、左側最前列にひとりで、すわっていた私。
右側の運転士のすぐ後ろには同級生でもある職員のI君。
バスの旅は順調で、真鶴新道から熱海へ入った。
もうすぐ、つるやホテルの前、「お宮の松」前にさしかかるころ。
お客の見えないところで台本を広げながら、説明を続けるガイド。
私はI君と雑談をしていたところ、信じられない言葉が耳に。
I君も、会話をさえぎり、私に向かって真顔で、
『おいっ!!』
そう、バスの中に聞き慣れない、信じられない音が・・・・・・。
ガイドの声で、
『尾崎紅葉の「きんいろやしゃ」で有名な「お宮の松」・・・・・・・。』
私はすぐに席をたち、前方のステップにたち説明をするガイドのわきに降りる。
『「こんじきやしゃ」だよっ!』
小声で叫ぶ。
わかります、この表現、心情・・・・。
のちに台本をみると、『夜叉』にのみルビがふってあった・・・・・。
私はいや~な汗が体中から噴き出してきた。
そして、思った。
よく、Nさんは事故らないものだな・・・・・・。
その夜の宴会で、別の年配の職員から、
『おいっ、あのガイド、もっと勉強させろっ!』
と、散々絡まれた・・・・・・・。
旅行とは、全てうまくいって当たり前。
お客様が楽しんで、想い出をつくり、無事かえってくることが最大の喜び。
だが、
自身の失敗もふくめ、旅行中にはさまざまなことがある・・・・・・・。
なかには、自身ではふせぎようのないことも・・・・・・。
事実とはコントよりも恐ろしい・・・・。
まあ、観光というよりは、いわゆる宴会旅行である。
バスは長年使用している我孫子にあるT武の傍系のBバス。
バスの運転士はベテランのNさん。
ガイドは、まだまだ新人のX。
添乗員として、左側最前列にひとりで、すわっていた私。
右側の運転士のすぐ後ろには同級生でもある職員のI君。
バスの旅は順調で、真鶴新道から熱海へ入った。
もうすぐ、つるやホテルの前、「お宮の松」前にさしかかるころ。
お客の見えないところで台本を広げながら、説明を続けるガイド。
私はI君と雑談をしていたところ、信じられない言葉が耳に。
I君も、会話をさえぎり、私に向かって真顔で、
『おいっ!!』
そう、バスの中に聞き慣れない、信じられない音が・・・・・・。
ガイドの声で、
『尾崎紅葉の「きんいろやしゃ」で有名な「お宮の松」・・・・・・・。』
私はすぐに席をたち、前方のステップにたち説明をするガイドのわきに降りる。
『「こんじきやしゃ」だよっ!』
小声で叫ぶ。
わかります、この表現、心情・・・・。
のちに台本をみると、『夜叉』にのみルビがふってあった・・・・・。
私はいや~な汗が体中から噴き出してきた。
そして、思った。
よく、Nさんは事故らないものだな・・・・・・。
その夜の宴会で、別の年配の職員から、
『おいっ、あのガイド、もっと勉強させろっ!』
と、散々絡まれた・・・・・・・。
旅行とは、全てうまくいって当たり前。
お客様が楽しんで、想い出をつくり、無事かえってくることが最大の喜び。
だが、
自身の失敗もふくめ、旅行中にはさまざまなことがある・・・・・・・。
なかには、自身ではふせぎようのないことも・・・・・・。
事実とはコントよりも恐ろしい・・・・。